海外安全対策情報(2025年1月~3月)

令和7年4月11日

1 社会・治安情勢

 ボリビア国内各地では、政治的要求に基づく各職業団体、労働組合、市民団体、学生等によるデモ行進、集会、道路封鎖等の抗議活動が頻繁に行われています。

 2025年8月の実施が予想される大統領選挙を巡るエボ・モラレス元大統領とアルセ大統領の対立は激しさを増し、モラレス元大統領の過去の性犯罪疑惑を理由に逮捕状が出される事態にまでなっています。外貨不足に伴うガソリン等の深刻な物資不足や経済の低迷も相まって、道路封鎖を伴う政府への抗議活動の頻度や規模は更に増すことが懸念されます。外出の際は最新情報の入手に努め、時間に余裕をもって行動するようにしてください。また、道路封鎖箇所やデモ等で多数の人が集まっている場所には近づかないようにしてください。

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)犯罪の傾向
 
 ラパス県エルアルト市においては、ケチャップ・砂かけ強盗、首締め強盗、置き引き、スリ及び偽警察官による犯罪が発生しているほか、拳銃や刃物を使用した強盗や女性を狙った強姦が発生しているため十分な警戒が必要です。サンタクルス県サンタクルス市においては、車やバイクで歩行者等に接近し、所持品を強奪する強盗事件が発生しています。
 エルアルトやサンタクルス等、都市部での一般的な防犯対策としては、市場・繁華街等人混みに行く際には多額の現金を持たず、貴重品はリュックサックなど目の届かないところには入れないようにし、またなるべく単独ではなく、複数人で行動することが重要です。また自身を狙っている不審者がいないか、周囲を見渡す等の警戒を怠らない意識も必要です。それでも万が一犯罪に遭遇した場合、犯人が刃物を所持している事例が多いので、無理な抵抗はしないようにしてください。そして被害後は可能な限り速やかに、警察へ被害届けをしてください。
 モラレス元大統領が潜伏しているとされるコチャバンバ県チャパレ郡及び同郡に隣接するカラスコ郡においては、同元大統領支持派による反政府活動が活発化しています。コカの葉の大規模な違法栽培が行われている両郡では、元々麻薬関連の犯罪が多発している中で、反政府活動の過激化により警察機能が制限され、非常に危険な状況となっています。またブラジル・パラグアイとの国境地帯では麻薬密輸組織による違法活動が多数報告されています。チャパレ郡、カラスコ郡やブラジル・パラグアイとの国境地帯は観光客が頻繁に訪れるような地域ではなく、これまで日本人を含めた外国人の被害報告はありませんが、麻薬密輸組織同士の抗争に伴う誘拐や殺人などの凶悪犯罪が多発しています。同地域を訪れる際には細心の注意が必要です。
 
 
(2)邦人被害事案
  
現在、特段の情報はありません。
 
 
(3)邦人以外の被害事案

ア.1月3日、ラパス市内でガス管を使ってATMを爆破し、中の現金を盗もうとする事件が発生。未遂に終わったが、近くの監視カメラから複数人の容疑者が浮上し、行方を追っている。

イ.1月9日、サンタクルス市内で、男が元職場から約Bs.80.000を盗み、売春宿などで使った。
 
ウ.1月10日、サンタクルス市内で、商人の自宅から現金Bs.180,000や宝石類などが盗まれた。この事件で逮捕された容疑者は盗んだ金の一部を使い、残りは自宅の庭に埋めて隠していた。

エ.1月14日、コチャバンバ市内で、ひったくり犯2人が現行犯逮捕された。二人は同様の事件で前科がある人物だった。  

オ.1月14日、サンタクルス市内で、現金約Bs.300,000の窃盗事件が発生。警察の調べによると、この家にあった現金以外の金目のものには手が付けられていないことから、現金のありかを知っている人物とみて捜査を進めている。

カ.1月17日、サンタクルス市内で、若い女性が帰宅途中にバイクに乗った二人組の男らに襲われ、現金Bs.2,500を奪われた。抵抗を試みたが、頭を殴られた後、銃で脅されたため、追跡を断念。  

キ.1月24日、タリハ県で老夫婦が偽警察に騙され、車に乗せられて所持品(Bs. 2,000と携帯電話)を奪われた。

ク.2月19日、サンタクルス市内で、警察官が自宅を出ようとしているところを複数の男らに銃撃され死亡。事件後、警察官の殺害にかかわったとして4名の容疑者が逮捕されている。  

ケ.3月3日、サンタクルス県モンテロ市で、銃を持った男2人が外資換金の商人を襲い、約8万ドルを奪い逃走。男らが発砲した2発のうち1発が、被害者の頭部に命中し、病院に搬送されたがその後死亡。  

コ.3月6日、サンタクルス市の旧ロス・ポソ市場の宝石店計3軒に銃を持った男4名が押し入り、宝石などを奪い逃走。被害総額は100万Bsを超える。盗難された宝石の一部が逃走車から見つかったほか、ブラジル国籍の男2人が本件にかかわっていたとして逮捕されている。  

サ.3月7日、サンタクルス県サマイパタ市で、10日前から行方不明となっている女性の捜索を求めて、市民運動が行われた。女性は夫から暴力を受け、3日間ラ・グアルディア市内の病院に入院していたが、夫に引き取られたのち行方が分からなくなっている。  

シ.3月8日、サンタクルス市内で、女性が職場から出てきたところを2人の男に銃で脅され、所持品を奪われた。事件発生直後、近所の人たちが男らを追跡し、逮捕にいたった。  

ス.3月10日、オルロ市のバスターミナルで犯罪取締局の警察官を装い観光者を恐喝していた男2人が逮捕された。  

セ.3月14日、サンタクルス県ピライ川沿いで男女の他殺体(銃殺)が発見された。二人は2月25日から行方不明となっており、家族から捜索願を出されていた。容疑者となっている男は麻薬組織とのつながりがあるとされている。  

ソ.3月15日、コチャバンバ県キリャコリョ市の宝石店に男2人が押し入り、銃で店員を脅すなどして展示されていた宝石などを奪って逃走した。今月6日にはサンタクルスで同様の事件が起きているため、警察は商店には十分な警戒を呼び掛けるともに、市民に対しても盗品と思われる商品の購入は控えるよう呼び掛けている。  

タ.3月16日、ラパス県ラパス市で70歳の女性が自宅で手足を縛られた状態で死亡しているのが見つかった。犯人はこの女性から金を借りていた人物とみられている。  

チ.3月21日、コチャバンバ県チモレ市で、酒を飲んだ男2人が女性に迫り、拒否されたところ発砲し腹部にけがをさせた。女性は病院に運ばれたが死亡。男性1名(32)が逮捕され、逃走中の1名(20)は捜索中である。  

ツ.3月24日、エル・アルト市で、男性1名がSNSでコンタクトをとった換金業をすると名乗る人から5,000ドル換金しようと約束の場所に行ったところ、銃を持った男に襲われ約Bs.56,000を奪われた。被害者が逃げようとした際、犯人の男は銃を発砲し1発が被害者の足に当たりけがを負った。  

テ.3月26日、コチャバンバ県イビルガサマ市の路上で男性が車に乗った2人の男らに銃で撃たれ死亡。犯人の特定や被害者の身元確認など、事件の詳細は現在調査中。

ト.3月23日から3月25日にかけてコチャバンバ県で行われた警察の取り締まりで、長距離バス会社 Tran Lujan の運転手2名が酒に酔った状態でバスを運転していたとして逮捕された。  

ナ.3月27日、コチャバンバ県エントレ・リオス市(チャパレ地方)で男3人が銃撃され死亡。犯罪組織間の争いとみられる。

3 テロ・爆弾事件発生状況

現在、特段の情報はありません。
 

4 誘拐・脅迫事件発生状況

3月21日、サンタクルス市内で13歳の少女の誘拐未遂事件が発生。男が車から降り、少女の髪の毛をつかみ車に乗せようとしたが、必死の抵抗の末逃げることができた。警察は車の所有者である容疑者の男1人を逮捕、共犯者2人の行方を追っている。

5 日本企業の安全に係わる諸問題

現在、特段の情報はありません。