ボリビア内政・外交(2024年2月)
令和6年3月1日
1 内政
(1)外務省通商・統合担当次官の就任
2 月2日、ウァスカル・アハタ氏が、ベンハミン・ブランコ氏に代わり、新たな外務省通商・統合担当次官に就任した。アハタ新通商・統合担当次官は経済学の学位を持ち、コロンビア、ペルー、チリで開発されたプロジェクトの経済的・社会的評価、国際関係、プロジェクト評価等について大学院で学んだ経験を持つ。
(2)司法選挙の動向
ア 任期延長された司法官の辞職2月5日、オマール・ミシェル司法評議会評議員が辞表を提出した。
イ 国会における司法選挙実施に向けた動き
2月2日、国会上下両院憲法合同委員会は、司法選挙実施に向けて前進すること、現職の裁判官の任期延長について下院本会議で審議することに合意した。
2月6日、7時間に及ぶ討論の後、下院本会議は全会一致で司法選挙実施にかかる法案を可決した。また、3時間の議論の末、同じく上院も全会一致で可決した。
当該法律第1549号(2024年司法選挙暫定法)は、国会による候補者予備選考に80日、最高選挙裁判所(TSE)による選挙招集等に150日、合計230日で司法選挙を実施することを規定している。
2月14日、国会憲法合同委員会は、司法選挙実施にかかる募集要項の内容について合意した。
2月16日、国会は全会一致で候補者の事前選考プロセスにかかる募集要項の内容を可決し、司法選挙への道を開く重要な一歩を踏み出した。
2月17日、国会は司法選挙にかかる候補者募集を開始した。なお、司法選挙の候補者募集について、立法院は80日以内に192名の候補者リストを承認する必要があり、出願受付は2月20日から20日間行われる。
(3)カマチョ・サンタクルス県知事の裁判関連等
2月10日、サンタクルス県裁判所(Tribunal Departmental de Justicia de Santa Cruz)はカマチョ元知事に対してデクレタソ事件に関する裁判に出頭するため、パルマソラ刑務所に移送するよう命じた。昨年10月、デクレタソ事件でカマチョ知事に対する告発状を提出し、規定に反しサンタクルス県副知事のアギレラ氏ではなく、秘書に暫定的に職権を委ねようとした罪に問われている。この裁判は3月11日に開始される予定となっている。(4)2025年大統領選に向けた動向
2月24日、レイェス・ビジャ(Reyes Villa)コチャバンバ市長は、メディアに対し、2025年の大統領選挙への出馬の可能性について、まだ検討中であることを示唆した。2023年5月、市長は現市長の任期を終えた後、政界から引退し、地方であれ国であれ、次の選挙には立候補はしない旨述べていた。
2 外交
(1)G20リオ外相会合への参加
2月21日~22日、G20リオ外相会合に参加したソサ外相は、その機会に次の各国外相と二国間会談を行った。(2)パラグアイとの関係
8月15日、アルセ大統領はパラグアイにて行われた、ペーニャ新大統領の就任式に参加した。ア エジプト(2月21日)
ソサ外相及びアハタ通商・統合担当次官は、再生可能エネルギー、医療、保健などの分野における国際協力の強化・拡大を目指し、サメ・シュクリ・エジプト・アラブ共和国外務大臣と会談した。
イ ロシア(2月21日)
ソサ外相は、モリナ炭化水素・エネルギー相とともに、G20リオ外相会合のマージンにて、ラブロフ・ロシア外務大臣と、両国間の関係強化のための有意義な会談を行った。
モリナ炭化水素相とソサ外相は、ラブロフ・ロシア外務大臣と会談し、二国間の関心事項を評価した。
モリナ炭化水素相は「これらの対話は国境を越え、両国間の強固な協力関係の未来への道筋を示すものである」と自身のXアカウントのメッセージで述べた。
ウ トルコ(2月21日)
二国間の友好関係を強化する目的で、ソサ外相は、ハカン・フィダン・トルコ共和国外務大臣と会談を行った。
エ メキシコ(2月21日)
ソサ外相とアリシア・バルセナ・メキシコ外務大臣は、貿易、安全保障、財・サービス、食料安全保障に関する二国間アジェンダの強化に向けて引き続き協力するため、建設的な対話を行った。
オ 日本(2月22日)
ソサ外相は、上川外務大臣と会談し、両国を結びつける友好の絆を強化した。
(3)ソサ外相による、キューバ、ニカラグア及びベネズエラへの公式訪問
ソサ外相が2月11日から17日にかけてキューバ、ニカラグア及びベネズエラを公式訪問した。ア キューバ(2月11日~13日)
2月12日、ソサ外相は、ディアス=カネル大統領を表敬するとともに、ロドリゲス外相と会談した。
2月13日、ソサ外相は、ハバナ大学において講演し、社会共同体生産経済モデルに基づくボリビアの産業化プロセスを強調して、「ボリビアはしばらくの間、一次産品輸出国であり続けるだろうが、天然資源の国家管理の成功に基づく経済モデルであるため、その目的と進むべき道を明確にしなければならない。アルセ政権は、2006年に始まった変革のプロセスの原則を再確認する。我々は、反帝国主義、反植民地主義、反資本主義の政府である。これに加え、我々の革命の反父長制的性格がある。同様に、我々は、母なる大地とのバランスを保ちながら、産業化を伴う民族解放のプロセスを強化するために、主権を持って政治的決断を下している。」旨述べた。
イ ニカラグア(2月13日~15日)
2月14日、ソサ外相は、ニカラグア政府当局の同伴にてマナグア革命広場に隣接する英雄記念碑に献花した際、ニカラグアの英雄アウグスト・ニコラス・カルデロン・サンディーノを称賛し、サンディーノは米州大陸の人々の間の同盟の必要性を確信していたとして、自国の政府が統合の重要性を確信しており、民族間の協力と補完の関係を促進することを確約した。
さらに、ソサ外相は、ボリビアは非対称性を考慮し、「我々の価値観、アイデンティティ、文化の多様性」を尊重する主権統合を提唱している。この美しい土地にいる私は、民族間の友好と協力の絆を強めたいという政府の願いに応えている。」と旨述べ、ニカラグア訪問にてこれらの目的を達成したいとした。
2月14日、ソサ外相は、在ニカラグア・ボリビア大使館領事部に電子パスポート登録センターを開設し、「在ニカラグア・ボリビア大使館は、ボリビア人のパスポート登録が開始されたおかげで、パスポートを交付できるようになった。このことは、同胞たちに大きな感謝をもたらす。以前は、ボリビア人がこの書類を取得するのは非常に複雑で、1980年代からこの問題を抱えている人さえいた。」と述べた。
式典では、最初のパスポートが正式に同胞に手渡された。ソサ外相は、「ニカラグアに住むボリビア人だけでなく、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラスからのボリビア人にも恩恵がある。」とした。
一方、ソサ外相は、ボリビア人社会とも重要な会合を開き、様々な分野での協力促進に対する両国の意欲を強調し、両国の利益のために働くという相互の約束を再確認した。
ウ ベネズエラ(2月15日~17日)
2月15日、ソサ外相は、カラカス空港に到着し、ランデル・ペーニャ外務省中南米担当副大臣の出迎えを受けた。同副大臣は、ソサ外相は、マドゥーロ大統領表敬が予定されているとした。
2月16日、ソサ外相は、カラカスの国立パンテオンにある堂々たる石棺の前で献花を行い、解放者シモン・ボリーバルに敬意を表した。
同式典には、ランデル・ペーニャ外務省中南米担当副大臣及びセバスチャン・ミシェル駐 ベネズエラ・ボリビア大使らも参列した。本行事により、両国は結束と補完性の歴史的絆を再確認した。
3 日本との関係
2月23日、在ボリビア日本大使館は天皇誕生日祝賀レセプションを開催し、本年が日本・ボリビア外交関係樹立110周年にあたることを祝福した。