2023年10月 ボリビア経済情勢
令和5年11月1日
1 経済指標など
(1)インフレ率:10月未更新(9月:-0.06%)。2023年1月~9月累計1.49%。(2)都市部失業率:10月未更新(9月末:3.29%)。
(3)外貨準備高:5月~10月データ未更新(4月:31億5,800万米ドル)。
(4)対外債務:10月未更新。2023年1月~9月累計134億900万米ドル。
(5)対内債務:10月未更新。2023年1月~9月累計186億7,600万米ドル。
(6)天然ガス輸出額:10月未更新(9月:1億5,200万米ドル)。2023年1月~9月累計15億6,300万米ドル。
(7)鉱物資源全体の輸出額:10月未更新(9月:2億3,300万米ドル)。前年同月2億400万米ドル。
(8)燃料輸入額(ガソリン及びディーゼル):10月未更新(9月:3億1,500万米ドル)。前年同月2億7,700万米ドル。
(9)貿易収支:10月未更新(9月:5,800万米ドルの赤字)。2023年1月~9月累計7,900万米ドルの赤字。前年同月6,300万米ドルの赤字、前年1月~10月累計21億600万米ドルの黒字。
(10)金輸出額:10月未更新(9月:1億8,100万米ドル)。2023年1月~9月累計19億9,500万米ドル。
注:上記情報は2023年10月時点データ
2 経済関連動向等
(1)公的債務
ア 10月1日、ママニ経済財務省予算・財政会計担当次官は、対外債務は持続可能であり7月現在、対外債務の対GDP比は29.8%で減少が続いているとした。イ 10月10日、モンテネグロ経済財務相は、ボリビアの債務残高が持続可能な水準にあり、年平均で10億米ドルの調達が可能であるとするとともに、対外及び対内の合計の公的債務は国内総生産(GDP)の50%を超えてはいないとして、公的債務残高が対GDP比80%に達するという一部の説を否定した。
ウ 10月15日、モンテネグロ経済財務相は、ボリビアの公的債務は国内総生産(GDP)の50%程度であるとして、右が80%に達するというアナリストやエコノミストの見解を否定し、負債水準は持続可能であるとした。
(2)S&Pによる評価と右に対する政府反論 (10月2日)
米国の信用格付け機関であるスタンダード&プアーズ(Standard and Poor's Global Ratings)社(S&P)がボリビアの銀行リスクを高く位置付ける旨のレポートを発表したことに対して、ボリビア経済財務省は同社のレポートを否定する旨コメントした。(3)中国人民元建てでの取引 (10月3日)
ボリビア中央銀行(BCB)によると、今年3月から6月にかけて、ウニオン銀行を中心とするボリビアの金融機関は約4,000万ドル相当の人民元建て対外貿易取引を行った。3月以降ウニオン銀行は輸出入業者に対し、ドルでの取引が困難であることからユーロまたは人民元での取引という選択肢を提案しているが、この4,000万ドル相当は7月に報告された金額と同額で、商業活動における人民元使用への関心が一定ではなく、経済状況によって異なることを示している。
(4)2023年経済成長率
ア 10月4日、世界銀行はボリビアの経済(GDP)成長予測を、本年6月の2.5%から1.9%に引き下げた。なお、クシカンキ開発企画相は、本年第1四半期にボリビア経済は2.3%のプラス成長を記録したが、ボリビアの経済成長は内需により押し上げられている旨述べた。
イ 10月10日、国際通貨基金(IMF)はボリビアの本年の経済成長率を1.8%と予測する旨発表し、本年4月に発表した数値を維持した。
なお、モンテネグロ経済財務相は、IMFが本年の経済成長率予測を1.8%に据え置いたことで、ボリビアが今年最も経済パフォーマンスの良い南米3カ国のひとつになったことを歓迎した。
ウ 10月22日、モラレス税務政策次官は、ボリビアの今年の経済成長率は約3%に達すると推定しているとして、経済悪化を想定するエコノミストらを批難した。
エ 10月27日、クシカンキ開発企画相は、2023年第二四半期までのボリビアの経済成長率は不利な国際情勢にもかかわらず、プラス2.21%を記録したとして、これは政府の経済政策の結果であると発表した。