2023年5月 ボリビア経済情勢

令和5年6月1日

1 経済指標など

(1)インフレ率:0.57%。2023年1月~5月累計0.567%。
(2)都市部失業率:5月データ未更新(4月:4.19%)。
(3)外貨準備高:2月8日からデータ未更新(2月8日:35億3,800万米ドル)。
(4)対外債務:2023年1月~5月累計:133億2,700万米ドル(前月:133億6,300万米ドル)で、前年同月比プラス5.2%。
(5)対内債務:5月データ未更新(4月:163億5800万米ドル)。
(6)天然ガス輸出額:1億5,700万米ドル(前月:1億6,700万米ドル)、2023年1月~5月累計8億9,900万米ドル。前年同月比マイナス38%、前年累計同月比マイナス23%。
(7)鉱物資源全体の輸出額:2億5,000万米ドル(前月:2億2,300万米ドル)で、前年同月比マイナス19%。
(8)燃料輸入額(ガソリン及びディーゼル):2億7,200万米ドル(前月:2億9,000万米ドル)で、前年同月比プラス10.6%。
(9)貿易収支:4,100万米ドルの赤字(前月:5,400万米ドルの黒字)、2023年1月~5月累計1億6,600万米ドルの赤字。前年同月3億7,200万米ドルの黒字、前年1月~5月累計15億100万米ドルの黒字。
(10)金輸出額:1億9,000万米ドル(前月:2億6,700万米ドル)、2023年1月~5月累計12億2,400万米ドル。前年同月比マイナス20.5%、前年累計同月比マイナス8.5%。
 
注:上記情報は2023年7月時点データ
 
 

2 経済関連報道等

(1)最低賃金引き上げ (5月1日)

 政府は2023年の昇給を最大3%、最低賃金を5%、それぞれ引き上げる旨規定した最高政令第4928号を公布した。
 

(2)外貨準備金強化のための金購入法の制定 (5月5日)

ア アルセ大統領は法律第1503号「外貨準備金強化のための金購入に関する法律」を公布し、同法が制定された。同法律の目的は、ボリビア中央銀行(BCB)が国際準備金を強化するために国内市場から金を購入し、国際市場で金による外貨準備金を用いた金融業務を行うことを許可することで、BCBは金生産者から国際価格に基づき、ボリビアーノスにて金を直接買い取ることができる。ただし、BCBは少なくとも22トンの金準備を保有しなければならない(必ずしも金庫にある必要はない。)。なお、これまで同じく金の購入にかかる2011年10月11日付け法律第175号が存在したが、法律第1503号に基づき、撤廃された。
 
イ 5月5日、JPモルガン銀行が算出するカントリーリスクが1370ポイントに低下。4月中旬時点では、ボリビアは1982ポイントに達しており、ラテンアメリカにおいてベネズエラ、エルサルバドルに次ぐ3番目にリスクが高い国であった。
 
ウ ブルームバーグ社によると、上院における可決・承認後、ボリビアのソブリン債価格は急上昇した。これは政府が金準備をマネタイズして米ドル不足を緩和し、拡大する金融危機をコントロールできるようになるとの期待からである。
 
エ Fitch Ratings、Moodys及びStandard & Poorsは、ボリビアのソブリン格付けを変更していない。
 

(4)政府による米ドル不足の確認  (5月19日)

 リックテル大統領報道官は、国内における米ドル不足により国外からの燃料の購入に困難性を抱えており、その影響がその他の様々な輸出入に影響していることを認め、国内における米ドル不足の背景には(1)ガス輸出の減少、(2)ボリビアからのガスの購入国による料金未払い・先延ばし及び(3)米国における金利上昇に伴う米国銀行への米ドル流入があるとした。
 

(5)ボリビアにおける中国の銀行の開設関連 (5月31日) 

 Huang Yazhong中国大使は、二国間の貿易関係の改善のためにボリビアへの中国の銀行の支店の開設を進めている旨発言した。
 

3 日本との経済関係  (5月19日)

 ボリビア外務省は、通商・統合担当次官室を通じてシンガニのブランド供給拡大及びボリビアの生産者や流通業者との取引関係を確立するために、日本企業である「SudoWork合同会社」魚住聖治代表のボリビア訪問をアレンジした。