2023年4月 ボリビア経済情勢

令和5年5月1日

1 経済指標など

(1)インフレ率:プラス0.18%。2023年1月~4月累計マイナス0.003%。
(2)都市部失業率:3月からデータ未更新(3月:4.28%)
(3)外貨準備高は:2月8日からデータ未更新(2月8日:35億3,800万米ドル)
(4)対外債務:2022年累計133億米ドル、2023年1月~4月累計133億6300万米ドル(前月:133億6000万米ドル)で、前年同月比プラス5.4%。
(5)対内債務:163億5800万米ドル(前月:161億1,400万米ドル)で、前年同月比プラス12%。
(6)天然ガス輸出額:1億6600万米ドル、2023年1月~4月累計7億4,200万米ドル(前月:1億9,200万米ドル)で、前年同月比マイナス30%、前年累計同月比マイナス19.5%。
(7)鉱物資源全体の輸出額:2億2,000万米ドル(前月:2億2,500万米ドル)で、前年同月比マイナス20.6%。
(8)燃料輸入額(ガソリン及びディーゼル):2億9,800万米ドル(前月:3億1,700万米ドル)で、前年同月比プラス15%。
(9)貿易収支:7,100万米ドルの黒字(前月:1億300万米ドルの赤字)、2023年1月~4月累計1億3,400万米ドルの赤字。前年同月:3億200万米ドルの黒字、前年1月~4月累計11億2,900万米ドルの黒字。
(10)金輸出額:2億6,700万米ドル(前月:2億7,100万米ドル)で、前年同月比プラス11%。
 

2 経済関連報道等

(1)国際機関による本年の経済成長予測の下方修正(4月4日、11日) 

4月4日、世界銀行は、最新の報告書において、本年のボリビア経済成長予測を3.1%から2.7%に下方修正した。また11日、IMFは「世界経済見通し2023年4月報告書」において、本年のボリビア経済成長予測を昨年10月時の3.2%から1.8%に下方修正した。
 

(2)借款関連法案の国会上程(4月5日)

 政府は、保健サービスの強化及び橋建設に使用されることが検討されている合計1億6千万米ドルの借款に関連する下記二つの借款法案を国会に上程した。
(1)日本の国際協力機構(JICA)からの借款:約1億1,500万米ドルに相当し、償還期間は15年で、4年間の猶予期間がある。主な目的は、ボリビアの予算支援を通じて、保健分野の公共サービスの継続・強化を可能にするとともに脆弱な人々を保護する政策・制度の改善を実施することである。。
(2)アンデス開発公社(CAF)からの借款:15年の償還期間と6年間の猶予期間がある4,500万米ドルの融資を受ける「橋とそのアクセス建設プログラム」である。
 

(3)IMF特別引出権(SDR)の利用(4月6日)

ブルームバーグは、国際通貨基金(IMF)の報告書から、ボリビアは3月に特別引出権(SDR)の大部分を既に使用してしまい、来年は1,120万米ドルに相当する3.46%の利息を支払わなければならないとして、「3月31日時点のIMFのデータによると、現在ボリビアが保有しているのはわずか3,909万SDR(約5,300万米ドルに相当)で、割り当てられていたSDRの10%以下となっている。」旨報じた。
 

(4)リチウム開発について(4月9日)

 ボリビアリチウム公社(YLB)総裁は、ポトシ県のウユニ塩湖のリッピ(Llipi)に建設中の炭酸リチウム産業プラント建設の進捗が90%以上となり、本年7月に工場の建設が完了することを確認した。
 

(5)信用格付け機関による評価格下げ(4月19日) 

 、米国の信用格付け機関であるStandard and Poor's Global Ratings(S&P)社は、ボリビアの長期外貨建て及び現地通貨建てソブリン格付けを「B(Stable)」から「B-(Negative)」に引き下げた。
・Moody's社:Caa1(Negative)(3月24日)
 

(6)ソブリン債価格(4月19日)

 ブルームバーグによると、2028年に満期を迎えるソブリン債の価格は47%の水準に達した後、ここ数日で、4月19日には52%まで上昇し、ここ数ヶ月で見られた下落トレンドの逆転を示した。同様に、2030年満期のソブリン債が新興国市場で最大の前進となり、58.3%から60.9%へと上昇し、2週間ぶりの高い水準となったとして、「ボリビアの2028年債は4月13日に46.86米ドルの安値まで下落したが、先週から強く反発し始め、現在は61米ドルを超えている。」と報じた。
 

(7)カントリーリスクの改善(4月21日)

ボリビアのカントリーリスクは600ポイント下落・改善した。しかし、JPモルガンの新興国債券指数(EMBI)で測定されるソブリン・スプレッドは、2022年12月31日に記録された値の2倍以上となっている。4月21日、ボリビアはEMBIを1,280台で終え、ベネズエラ(39,713.47)、アルゼンチン(2,634)、エクアドル(1,886)、エルサルバドル(1,355)に続く、中南米地域で最もリスクの高い国として5番目となっている。
 

(8)アルセ大統領とボリビア民間銀行協会(ASOBAN)幹部の会談(4月21日)

 アルセ大統領は、ASOBANのメンバーと会談し、その結果として、金融システムは強固で支払能力があることを保証した。 また、アルセ大統領は、外部環境が悪化する中、インフレの抑制などポジティブな指標を有する経済の安定を維持するために、責任を持って政府を運営していくことを確約した。
 

(9)金購入法案関連(4月23日)

ボリビア中央銀行(BCB)は、現在保有されている金43.05トンのうち、42.51トンは信用度の高い国際金融機関に預けられており、0.54トンがBCBの金庫に保管されている旨プレスリリースを発出。右は、最近実施された内部監査及び外部監査によって確認されている。
 

(10)ボリビア中央銀行(BCB)による2023年年初説明会(4月27日)

 ロハスBCB総裁は、2022年を総括し、BCBが実施した従来及び非伝統的な金融政策により、2022年の経済活動の活性化を後押ししたとして、、(1)ソブリン金融・財政政策により、国内総生産(GDP)の成長を実現した。厳しい国際情勢の中、第3四半期のGDP成長率は4.3%であり、この結果はより適切なものである。(2)インフレ率が3.1%程度に抑制された。3.1%は、2022年財政金融計画(FFP)の見通しであった3.3%を下回る数字で、外部からのインフレ圧力が強い中、南米で最も低く、ラテンアメリカで最も低いという驚くべき結果である。(3)財政赤字はGDP比7.2%となり、見通し(8.5%)を下回った、等を述べた。
 

(11)電力公社による再生エネルギー源生成への取り組み(4月28日)

スクレ市において開催された炭化水素・エネルギー省の2023年年初報告会において、ボリビア電力公社(ENDE)は、2023年の主要目標を発表し、建設中の水力発電プロジェクト、太陽光・風力発電プロジェクトの進捗及び調査状況を説明した。