2023年3月 ボリビア経済情勢

令和5年4月1日

1 経済指標など

(1)インフレ率:マイナス0.08%。2023年1月からの累計はマイナス0.19%。
(2)都市部失業率:3月からデータ未更新。(前月:4.77%)
(3)外貨準備高:2月8日からデータ未更新(2月8日:35億3,800万米ドル)
(4)対外債務:2022年10月からデータ未更新(2022年10月:131億1,200万米ドル)。
(5)対内債務:161億1,400万米ドル(前月:161億1,150万米ドル)で、前年同月比プラス13.6%。
(6)天然ガス輸出額:1億9,100万米ドル、累計5億7,500万米ドル(前月:1億8,100万米ドル)で、前年同月比マイナス20.7%、前年累計同月比マイナス16%。
(7)鉱物資源全体の輸出額:2億1,900万米ドル(前月:1億6,500万米ドル)で、前年同月比マイナス19.2%。
(8)燃料輸入額(ガソリン及びディーゼル):3億2,800万米ドル(前月:1億7,800万米ドル)で、前年同月比プラス43.6%。
(9)貿易収支:1億2,100万米ドルの赤字(前月:6,600万米ドルの赤字)、前年1月~3月累計2億1,500万米ドルの赤字。前年同月:2億7,200万米ドルの黒字、前年1月~3月累計8億2,600万米ドルの黒字。
(10)金輸出額:2億7,100万米ドル(前月:2億1,500万米ドル)で、前年同月比プラス1.1%。
 

2 国内経済関連

(1)国内における米ドル不足対策

ア 3月6日、ボリビア中央銀行(BCB)は、ウニオン銀行を通じて、公式為替レート(6.96ボリビアーノス)による米ドル直接販売を開始した。
 
イ 3月20日、アルコン大統領府省広報担当次官は、BCBは当面無期限にて米ドルの直接販売を続ける旨発表した。
 

(2)外貨準備高の減少関連

ア 特別引出権(SDR)の保有を処分(3月15日)
 ボリビア中央銀行(BCB)は、外貨準備高の流動性を強化するために、BCBが管理する外貨準備高の一部である特別引出権(SDR)のうち3億1,000万米ドルに相当する2億290万SDRを交換した旨発表した。  
 
イ カントリーリスクの上昇(3月15日)
 米国銀行JPモルガンは、ボリビアのカントリーリスクが初めて1,000ベーシスポイントを超えたと発表した。ボリビアのカントリーリスクは本年最初の営業日に564であったが、これまでに79%近くも急上昇している。
 
ウ ソブリン債の暴落 
 ボリビアのソブリン債が額面1米ドル当たり3月6日の70セントから3月21日の58セントまで急落している。
 

(3)信用格付け機関によるソブリン評価格下げ等

ア 3月14日、Fitch Ratings社は、ボリビアの長期ソブリン債の格付けをBからB-(negative)へと引き下げた。
 
イ 3月15日、Standard and Poor's社は、ボリビアの長期ソブリン格付けを外貨準備の圧迫を理由に「特別ネガティブ・レビュー」に、短期格付けを「肯定」に維持した。
 
ウ 3月24日、Moody's社は、ボリビアのソブリン債の格付けをB2(Negative)からCaa1に引き下げた。
 

(4)対アルゼンチン電力輸出

 モリナ炭化水素・エネルギー相は、ボリビアが3月13日から送電線「フアナ・アズルデュイ・デ・パディリャ」を通じて、アルゼンチンへの電力輸出を開始した旨発表した。ボリビアにとり初めての電力海外輸出となる。
 

(5)リチウム開発関連

ア 直接抽出プラント建設にかかる中国企業との合意(3月1日)
 ボリビア・リチウム公社(YLB)と中国のCBCコンソーシアム(CATL 、Brunp & CMOC共同事業体)は、ウユニ塩湖及びコイパサ塩湖においてリチウム直接抽出(EDL)プラントの建設を8月に開始するための準備を進めることで合意した。同建設工事は2024年末までに完了する予定であることから、2025年前半には運用開始となる見込み。
 
イ リチャードソン米南方軍(SOUTHCOM)司令官の発言関連(3月12日)
 モリナ炭化水素・エネルギー相は、リチャードソン米南方軍司令官の米国議会証言について、「2006年以来、ボリビアは干渉を認めていない。我々は、リチウムを産業化し、自らの運命を発展させるための主権的なモデルを有している。」旨ツイートしたほか、モラレスMAS党首も「リチャードソンの脅しを、我々は否定する。ラテンアメリカは米国の植民地ではない。」旨ツイートした。
 

(6)オルロ県における亜鉛精錬所建設計画(3月10日)

 ビジャビセンシオ鉱業冶金相は、3億5千万ドルを投資するポトシにおける亜鉛精錬所の建設を保証し、当該プロジェクトのコンセプトと基本設計は完了しており、あとは開発企画省が建設資金を管理・承認するだけであるとした。
 
 
 

3 日本との関係

FOODEX2023への参加

 ボリビア企業はワイン、シンガニ、ブラジルナッツ、コーヒー、キヌア、チョコレート、ゴマ、乾燥豆及びハート・オブ・パーム(palmito)等潜在的な商品を展示した。
 ブランコ外務省通商・統合担当次官は、展示会への参加に加え、在日ボリビア大使館が、情報交換や貿易提携を行うために、東京商工会議所、国際協力機構(JICA)、日本貿易振興機構(JETRO)ら日本側の関係者とボリビアの実業家の会合を設定した旨述べた。