2022年11月 ボリビア経済情勢

令和4年12月1日

1 経済指標など

(1)インフレ率:0.47%となり、本年1月~11月の累計3%。
(2)都市部失業率:4.15%(前月4.3%)で、前年同月比マイナス20%。
(3)外貨準備高は:38億800万米ドル(前月:36億8,700万米ドル)で、前年同月比マイナス20%。
(4)対外債務:10月末の131億1,200万米ドルから未更新。
(5)対内債務:153億7,600万米ドル(前月:147億3,600万米ドル)で、前年同月比プラス24%。
(6)天然ガス輸出額:2億1,300万米ドル(前月:2億2,700万米ドル)で、前年同月比プラス10%。
(7)鉱物資源全体の輸出額:1億7,700万米ドル(前月:2億400万米ドル)で、前年同月比マイナス33%。
(8)燃料輸入額(ガソリン及びディーゼル):4億9,000万米ドル(前月:4億5,600万米ドル)で、前年同月比プラス79%。
(9)貿易収支は:11月時点で7億6,100万米ドルの黒字(前月:10億760万米ドルの黒字)、前年同月:16億700万米ドルの黒字)。
(10)金輸出額は、2億700万米ドル(前月:2億3,900万米ドル)で、前年同月比マイナス26%。
 

2 経済関連報道等

(1)ブランコ通商担当外務次官の訪仏 

ア フランス企業同盟との会談
 11月22日、訪仏中のブランコ外務省通商・統合担当次官は、ボリビアの経済・通商状況の進展及び投資機会について周知すべく、フランス企業同盟と会合した。
イ 第一回ボリビア・仏ハイレベル経済会合
 11月24日、ブランコ次官は、マイタ(Raul Mayta)炭化水素開発次官及びカエロ(Edgar Caero)電力・代替エネルギー次官らとともに、パリで開催された「第一回ボリビア・仏ハイレベル経済会合」に出席した。

(2)中国協力機構の技術ミッション来訪(亜鉛精錬所建設計画)

 10月31日から中国協力機構の技術ミッションが来訪し、ビジャビセンシオ鉱業冶金大臣と面談し、オルロ県における亜鉛精錬所建設計画について協議するとともに、鉱山サイト及び精錬所建設予定地を視察した上で、11月4日、報告書を提出した。
 ビジャビセンシオ鉱業冶金大臣によれば、ビント(Vinto)鉱業公社に対する中国からの融資額は3億5,000万米ドルとなる見込み。右精錬所は、年間65000トンの亜鉛生産能力を有し、他金属を含む年間生産量は15万トン、亜鉛以外には、カドミウム、ゲルマニウム、ガリウム、インジウム、硫酸などの生産を見込んでいる。

(3)ボリビアにおける水銀使用の実状

 国際メディアMongabay紙によれば、ボリビアは、南米地域内において少なくとも4カ国(ペルー、ブラジル、コロンビア、エクアドル)へ違法に水銀を輸出している。同紙は「ボリビアは、南米で水銀輸入を規制していない数少ない国の一つであり、鉱業での違法な水銀使用を助長している。」旨報じた。また、オレリャーナ(Marcos Orellana)国連特別報告者も「水銀は、南米北部ではベネズエラやガイアナ、南米南部ではボリビアを経由して流通する。」旨指摘している。

(4)密輸市場の規模

 パレデス(Mario Paredes)全国商工会議所(CNC)会頭によれば、密輸市場では年間約36億米ドルが動いており、GDPの9%に相当するとして、「密輸はGDPの9%を占め、36億ドルが密輸され、税金も払わず、仕事も生み出さない。これは非常に厳しい問題であり、拡大し続けている。」旨述べた。他方、ペドロ・バルガス(Daniel Pedro Vargas)密輸対策次官は、2022年に入ってから15000件の密輸摘発オペレーションは実施され、5億8,000万米ドル相当の密輸品が押収された旨述べている。

(5)アルゼンチンへの電力輸出

 11月14日、ボリビア電力公社(ENDE)は、アルゼンチンへの電力輸出が近日中に開始される見込みであるとして、アルゼンチンへの送電設備(Juana Azurduy de Padilla)が完工しており、電力輸出計画は最終段階(アルゼンチン側の法的チェック)に入っている旨発表した。

(6)外貨準備高

 ボリビア中央銀行によれば、外貨準備の減少が続いており、11月7日時点での外貨準備高は、37億5,400万米ドルで、そのうち外貨現金が8億8,200万米ドルとなった。9月6日には、7億5,900万米ドル下落し、2006年以降で最大の下落幅を記録した。