2022年9月 ボリビア経済情勢
令和4年10月1日
1 経済指標など
(1)インフレ率:0.14%(前月0.04%)となり、1月から9月までの累積は1.76%。(2)都市部失業率:4.08%(前月4.12%)で、前年同月比マイナス33%。
(3)外貨準備高:38億4,400万米ドル(前月38億700万米ドル)で、前年同月比マイナス20%。
(4)対外債務:131億2,100万米ドル(前月127億1,400万米ドル)で、前年同月比プラス4.6%。
(5)対内債務:146億7,200万米ドル(前月145億7,700万米ドル)で、前年同月比プラス23%。
(6)天然ガス輸出額:2億6,700万米ドル(前月2億8,900万米ドル)で、前年同月比プラス46%。
(7)鉱物資源全体の輸出額:2億5,200万米ドル(前月2億3,900万米ドル)で、前年同月比プラス17%。
(8)燃料輸入額(ガソリン及びディーゼル):5億8,500万米ドル(前月5億1,800万米ドル)で、前年同月比プラス178%。
(9)貿易収支:9月時点で9億6,000万米ドルの黒字(前月11億9,700万米ドルの黒字)、前年同月12億8,800万米ドルの黒字)。
(10)金輸出額:2億1,230万米ドル(前月1億9,002万米ドル)で、前年同月比プラス21%。
2 経済関連報道等
(1)ボリビアが抱える投資紛争案件(9月7日)
投資家-国家間紛争解決にかかる測定を実施するシンクタンクであるトランスナショナル研究所(オランダ)が発表した「ラテンアメリカ及びカリブにおける投資家・国家間の仲裁申し立ての影響」によれば、ボリビアはこれまでに13件の裁判で全て敗訴しており、8億1,090万米ドルの支払いを求められている。また、ボリビアは、アルゼンチン、ベネズエラ、メキシコ、ペルー、エクアドルに次いで、ラテンアメリカ地域で最も訴えられた国の一つとなっている。(2)対中・対露債務(9月16日)
バカフロール・ガナム(Humberto Vacaflor Ganam)アナリストによれば、ボリビアは、ロシアに対して2022年には8,440万米ドル、2023年には1億550万米ドル、2024年には3億8,070万米ドルの債務返済が発生する。同アナリストは、これらの負債は、エルアルト市に建設された核医学及び原子力研究開発センター建設に関係する費用であると説明している。中国に対しては、現在の負債額が13億1,190万米ドルに達している。今後は75億米ドルの融資を受ける見込みとなっており、中国はボリビアにとって最大の債権者となる見込み。
(当館注:75億米ドルという額は、2018年の中国大使による発言を引用したものと思われる。)
(3)ボリビア・ペルー経済関係(9月13日)
9月13日、ボリビア(マイタ外相他)及びペルー(パロミノ通商副大臣他)両国は、ラパスにおいて、イロ港を通じた通商促進にかかる二国間協議を実施した。右協議では、ボリビアの輸出入にかかる関税を30%減税することで合意するとともに、コンテナ料金を5%割り引くことが決定された。また、同港において、ボリビア向けに毎月5,000万リットルのディーゼル燃料が取引されることも発表された。ペルー側は、ボリビア向けの液体燃料のための最適な調達条件を確保するため、必要な投資を実施する旨約した。(4)ボリビア・中国経済関係
ア 中国大使によるEXPOCRUZ訪問及び牛肉輸出にかかる意見交換(9月24日)9月22日、Huang中国大使は、サンタクルス市で開催された2022年EXPOCRUZを訪問した。その際、マルティネスFrigorificoBFC社(対中国輸出企業)社長と意見交換し、ボリビア産牛肉を試食するとともに、在サンタクルス総領事及び参事官らとともにEXPOCRUZを観覧した。同大使によれば、中国はボリビア産牛肉の最大輸出市場となっており、2022年1月から7月のボリビアの牛肉輸出額のうち、中国向けが98%を占めている
イ 中国・ボリビア合同企業展示会の開催
Huang大使は、第二回中国・ボリビア合同企業展示会に参加し、スピーチを行った。本イベントには、在サンタクルス領事の他、サンタクルス民間企業連盟、サンタクルス中国ボリビア友好協会会長、リオス(Eduardo Rios)サンタクルス県国際局長及びバルベリー(Luis Barbery)ボリビア民間企業連盟会長らが参加し、総勢13社の中国企業と40社のボリビア企業が参加した。同大使は、「中国は常に中国とボリビアの戦略的パートナーシップの発展を重要視してきた。現在、中国はボリビアにとって第2位の貿易国であり、最大の融資先であり、インフラプロジェクトの主要参加国である。」旨述べた。
(5)国際金融機関等との借款契約(総額約7億米ドル)にかかる法律の公布(9月21日)
9月21日、アルセ大統領は、国際金融機関等との借款契約(総額7億米ドル相当)にかかる案件別の下記6つの法律に署名・公布した。・韓国輸出入銀行:ラパス県エスコマ・チャラサニ間道路建設、7,500万米ドル
・ラテンアメリカ開発銀行(CAF):7月11日署名、エスコマ・チャラサニ道路第1区間(エスコマ・パコバンバ間)建設、5,355万米ドル
・米州開発銀行(IDB):6月30日署名、電力インフラ拡張計画、7,800万米ドル
・ラテンアメリカ開発銀行(CAF):気候変動対策及び財政透明化向け財政支援、4億米ドル
・ドイツ復興金融公社(KfW):第4次スクレ上・下水道整備計画、1,150万ユーロ(借款900万ユーロ+無償資金協力250万ユーロ)
・米州開発銀行(IDB):小・中規模都市向け上・下水道整備計画、7,900万米ドル