2021年10月 ボリビア経済情勢

令和3年11月1日

1 経済指標など

(1)インフレ率は、0.54%(1月~10月平均:0.53%)で前年同月比マイナス25%となった。
(2)失業率は、5.22%(前月:6.17%)で前年同月比マイナス40%となった。
(3)外貨準備高は、48億9000万米ドル(前月:48億3100万米ドル)で前年同月比マイナス12%となった。
(4)対外債務は、125億8900万米ドル(2021年7月時点)で、更新情報無し。
(5)対内債務は、122億1800万米ドル(前月:119億5600万米ドル)で前年同月比プラス7%となった。
(6)天然ガス輸出額は、2億米ドル(前月:1億8000万米ドル)で前年同月比プラス30%となった。
(7)鉱物資源全体の輸出額は、2億1700万米ドル(前月:2億1400万米ドル)で前年同月比プラス21%となった。
(8)燃料輸入額(ガソリン及びディーゼル)は、2億7000万米ドル(前月:2億700万米ドル)で前年同月比プラス76%となった。
(9)貿易収支は、10月時点で15億5500万米ドルの黒字(前月:15億万米ドルの黒字)となった(前年同月:1億6000万米ドルの赤字)。
(10)金輸出量は、2億7300万米ドル(前月:2億6900万米ドル)で前年同月比プラス200%となった。

 

2 経済関連報道など

(1)信用格付け

ムーディーズ社は、ボリビアの信用格付け(B2)がさらに低下する可能性を指摘している。同社は、ボリビアの財政赤字、外貨準備高の減少、2022年と2023に返済期限を迎えるソブリン債等を背景にリスクが高まっていると分析している。
一方、フィッチレーティングス社も、新型コロナウイルスの流行と、それに対応するための支出が、ボリビアの財政状況を悪化させたと指摘している。同社は、ボリビア政府に、財政を調整するだけの明確な計画がないと分析しており、ボリビア中央銀行の財源で財政赤字に対応し続けた場合、外貨準備も減少し続け、為替レートの安定性にも影響すると発表した。

(2)リチウム関連

13日、モリナ炭化水素大臣は、フィルムス(Daniel Filmus)科学技術大臣(アルゼンチン)と会談し、リチウム研究における交流及び技術開発にかかる議題の継続的対話及び深化について議論した。両者は、ボリビアリチウム公社(YLB)とアルゼンチンとの間で、アンデス・リチウム協力センターの設立を目指すことで合意した。
 24日、アルネス高等エネルギー技術次官は、リチウム直接抽出法に関し、2022年上半期に国際企業を選定の後、2022年下半期から導入に向けた作業を開始する旨発表した。2024年にはボリビアにおけるリチウムイオン電池の工業生産を目標としている。

(3)ロシア関係

24日、ロシアを訪問中のマイタ外相は、ラブロフ外相(露)と会談し、経済統合、協力、保健衛生、貿易等について協議した、一方、(国内で一部囁かれた)ロシアとのリチウム開発にかかる合意の存在については否定した。

(4)統計管理法の可決

 7日、上院は統計管理法(Ley de Estadísticas Oficiales)を可決した。これにより、各機関による統計データ管理、作成、アンケートの実施等に関し、国家統計局(INE)の認可が必要となり、データの提供等を怠った場合には罰金が科せられる。

(5)ミネラサンクリストバル

 9日、La Razon紙は、ミネラサンクリストバル社が、2007年から2020年にかけて約25億4900万米ドルのロイヤリティを納めたと報じた。また、コミュニティにおけるインフラの整備や生活の質向上のためのプロジェクトを継続的に実施してきた点が強調された。

(6)グレンコア社の撤退

  グレンコア社(スイス)は、ボリビア国内で亜鉛を生産する二社(シンチワイラ社及びイリャパ社)の持ち株を、サンタクルスシルバーマイニング社(カナダ)に売却する旨発表した。売買契約では、2000万米ドルの契約一時金と、その後4年間で合計9000万米ドルの繰り延べ金が支払われる。