2020年11月 ボリビア経済情勢
令和2年11月20日
1 マクロ経済
(1)外貨準備高(25日付報道)
ボリビア中央銀行によれば,2020年11月13日時点での外貨準備高は,51億52,00万ドルとなり,2019年12月末時点での64億68,00万ドルから20%減少した。先月の大統領選挙に伴う情勢への懸念や,輸出による歳入の減少が原因とみられる。しかし,対GDP比では約15.3%を占め,輸入額の7ヶ月分に相当していることから,IMFが定める基準(輸入額3ヶ月分)は満たしていると述べた。
(2)対外債務(17日付報道)
15日,モンテネグロ経済・財政大臣は,ボリビア経済が回復するまでの間,国際的な債権者及び国際機関に対し,対外債務返済の一時的な停止を求めると発表した。なお,アルセ大統領は,選挙公約において,経済危機に対処することを目的として,対外債務の返済を2年間停止することを掲げていた。
(3)貿易(20日付報道)
ボリビア貿易機構(IBCE)によれば,1月から10月までの輸出額は54億4,000万ドルとなり,前年度同時期と比べると27%の減収となった。輸入額は56億1,000万ドルで,前年度同時期から31%減少した。2 天然ガス輸出(25日付報道)
サンタクルス県の発表によれば,ブラジルとアルゼンチン向けの天然ガス輸出が増大している。専門家は,両国の経済再活性化による需要増と,ブラジルでの降雨不足により,同国の水力発電が影響を受けたことが要因であると述べた。
一方で,ミランダ前炭化水素大臣は,油田が枯渇に近づいており,両国からの需要に対しての供給が追いつかない可能性を指摘している。
一方で,ミランダ前炭化水素大臣は,油田が枯渇に近づいており,両国からの需要に対しての供給が追いつかない可能性を指摘している。
3 COVID-19関連
(1)失業率(27日付報道)
国立統計局(INE)によれば,10月時点での失業率は8.7%となり,7月に見込んでた11.6%を大きく下回った。同局によれば,パンデミックによって失業した人口は35万人に上り,労働人口の6%を占める。(2)経済危機解決のための政策(28日付報道)
27日,デル・カスティージョ内務大臣は,経済危機を解決するための7つの政策について発言した。ア 飢餓対策給付金(最高政令第4392号及び4402号)
イ 1年超の中古自動車を輸入可能にする最高政令(最高政令第4373号)の撤廃 (最高政令第4403号)。
ウ 公務員の休暇日数追加による観光促進(最高政令第4400号)
エ 高価値資産税の導入
オ 男女の給与額是正(最高政令第4401号)
カ 付加価値税(IVA)の払い戻し
キ 女性に対する暴力防止のための教育カリキュラム導入
なお,アルセ大統領は,上記の7つに加え,財政支出の最適化及び雇用創出のための公共投資再活性化に着手する旨ツイートしている。
(3)飢餓対策給付金(18日付報道)
12日,アルセ大統領は,選挙公約に盛り込んでいた飢餓対策給付金にかかる関連法を公布し,本年12月から支給開始である旨発表した。同給付金は,内需再拡大による経済の再活性化を目的としており,18歳以上で,いかなる給付金や給与を受給していない者,60歳以上の高齢者,身体障がい者及び妊婦のいる家族に対して,1,000ボリビアーノスが支給される。