ボリビア内政・外交(2018年3月)
平成30年4月5日
1 概況
(1)内政
ア 23日,ラパス市のアバロア広場で「海の日」の式典が開催され,モラレス大統領が演説を行った。(2)外交
ア 「海への出口問題」に係る国際司法裁判所(ICJ)裁判に関し,19日,20日,26日にボリビアが,22日,23日,28日にチリがICJで口頭弁論を行った。2 内政
(1)
1日,政府はボリビア郵便公社(Ecobol)を閉鎖し、新たにボリビア郵便庁(Agencia Boliviana de Correos, ABC)を創設することを発表した。(2)
1日,国連薬物犯罪事務所(UNODC)ボリビア事務所のロスタン代表は,麻薬摘発に関する2017年報告書を発表した。同報告書は,新コカ一般法(2017年3月施行)で合法とされるコカ葉栽培面積が,以前の法律第1008号における面積の約2倍になっていることに懸念を表明している。(3)
5日,2003年10月にエルアルト市及びラパス市で軍と反政府派の市民が衝突し,48人が死亡,400人以上が負傷した「ガス戦争」事件の責任について,ゴンサロ・サンチェス・デ・ロサダ元大統領及びカルロス・サンチェス・ベルサイン元防衛相に対する民事裁判が米国で開始された。(4)
12日,密輸の取締りを行っていた2名の軍人が殺害された事件を受け,モラレス大統領は密輸の取締り強化のための新法案を議会に提出した。(5)
12日,ラパス県ユンガス地域農民組合(COFECAY,政府寄り)の組合員が,コカ生産県組合(ADEPCOCA,反政府)の事務所を占拠して,臨時委員会を組織し,ADEPCOCAの新執行部を選出するための選挙の実施を求めた。(6)
23日,ラパス市のアバロア広場で「海の日」の式典が開催され,モラレス大統領は,チリに対し,ボリビアの太平洋への主権的アクセスに関する交渉を開始し,両国にとって利益となる解決を求める旨の演説を行った。(7)
28日,上院は,武器製造と軍の能力養成に関するボリビア・ベラルーシ協力協定を批准した。3 外交
(1)多国間関係
ア 5日,モラレス大統領はベネズエラで開催された米州ボリバル同盟(ALBA)サミットに出席し,地域の連帯とマドゥーロ・ベネズエラ大統領の米州サミットへの出席を改めて呼びかけた。イ 12日,アルセ法相はアルマグロ米州機構事務局長と会談し,客年11月28日に発出された大統領職ほかの無期限再立候補を認めた憲法裁判所判決の写しを手交した。
ウ 14日,モラレス大統領はクチンスキー・ペルー大統領に,マドゥーロ・ベネズエラ大統領の米州サミットへの出席を認めるよう求める書簡を送付した。
(2)二国間関係
ア 7日,キロガ元大統領及びパストラナ・元コロンビア大統領は,民主主義のための中南米若者ネットワーク主催のパヤ賞受賞式のためにキューバを訪問したが,入国を拒否された。これに対し,8日,モラレス大統領はツイッターで,ボリビアとコロンビアの主権を米国の干渉に売り渡した両元大統領は受賞に値しないと発言した。イ 9日,外務省は在ボリビア・トルコ大使館の開設を歓迎するプレスリリースを発出した。
ウ 11日,モラレス大統領はピニェラ・チリ大統領の就任式に出席した。
エ 13日,カセレス社会保護次官とズボフ露内務副大臣は,麻薬対策のための10の方策に関する共同行動計画に署名した。
オ 14日,モラレス大統領は,メルケル・独首相の再選に係る祝電を送付した。
カ 15日,モラレス大統領はスペインを訪問し,16日にフェリペ6世国王拝謁及びラホイ首相,スペイン経団連との会談を行った。
キ 18日,モラレス大統領はツイッターで,中国共産党党大会で習近平国家主席が全会一致で再任されたことを歓迎する旨のツイートを行った。
ク 23日,外務省はフランスで発生したテロ事件の犠牲者に対し連帯の意を示すプレスリリースを発出した。
ケ 27日,外務省はロシアのショッピングセンターで発生した火災の犠牲者に対し連帯の意を示すプレスリリースを発出した。
(3)「海への出口問題」に係る国際司法裁判所(ICJ)裁判
ア 2日,ワナクニ外相は,法律専門家に加え,ビルドソ元大統領,パス・サモーラ元大統領,キロガ元大統領,フェルナンデス元外相,ムリージョ元外相,ゴンザレス上院議長,モンターニョ下院議長,コスタス・サンタクルス県知事及びウルキソ・チュキサカ県知事等,合計15名がボリビア側代表団の一員として口頭弁論に出席することを発表した。イ 6日,パス・サモーラ元大統領は,モラレス大統領が自身のツイッターで野党を侮辱するような発言を繰り返していることを理由に,ハーグに同行しないことを発表した。
ウ 10日,政府は,ICJにおける口頭弁論に先立ち,ラパス市からオルロ市を繋ぐ道路に全長196.5kmの「海の旗」を掲げるというイベントを実施した。
エ 19日,20日,26日にボリビアが,22日,23日,28日にチリがICJで口頭弁論を行った。ボリビア側の口頭弁論にはモラレス大統領も出席した。