ボリビア内政・外交(2018年1月)

平成30年2月5日

1 概況

(1)内政

ア 22日,モラレス大統領が国会開会式で演説を行った。

イ 23日,モラレス大統領が内閣改造を行い,ハビエル・サバレタ氏が国防大臣,アルフレド・ラダ氏が大統領府大臣に就任した。

ウ 26日,モラレス大統領が刑法撤廃のための法律を公布し,新刑法が撤廃された。
 

(2)外交

ア 21日及び22日,ワナクニ外相はチリで開催された中国・CELAC閣僚会合に出席し,王毅外交部長と会談を行った。

イ 24日,アルセ法務大臣は,「海への出口問題」に係るICJ裁判の日程に関し,3月19,20,26日にボリビア側,22,23,28日にチリ側が口頭弁論を実施予定と発表した。

2 内政

(1)

 3日,スクレ市で新司法官52名(うち半数は代替者)の就任式が行われた。ホセ・アントニオ・レビージャ氏が最高裁判所長官,ゴンサロ・アルコン・アリアガ氏が司法審議会議長に選出された。
 

(2)

 4日,グレゴリオ・アロ・ラスグイド氏が環境裁判所所長,ペトロニロ・フロレス・コンドリ氏が憲法裁判所所長に選出された。
 

(3)

 4日,「変革のための国家調整委員会(CONALCAM)」は,モラレス大統領に対し,職務遂行状況が良好でないことを理由に,何人かの大臣を変更するよう要求した。
 

(4)

 11日,ラパス市のムリージョ広場で「コカ葉の日」の集会が行われ,モラレス大統領が演説を行った。
 

(5)

 15日,MAS党はモンテス上院議員を2018年から2019年のMAS党上院議員団長に,ヤニケス下院議員を同下院議員団長に任命した。
 

(6)

 22日,モラレス大統領は国会開会式で,12年間のモラレス政権の成果及び今後の5つの目標に関する演説を行った。
 

(7)

 23日,モラレス大統領が内閣改造を行い,フェレイラ国防大臣とマルティネス大統領府大臣が健康上の理由で離任し,ハビエル・サバレタ氏とアルフレド・ラダ氏がそれぞれ後任として就任した。
 

(8)

 25日,民主主義擁護委員会(CONADE)は,ボリビア労働組合(COB)から離脱した後も活動を継続することを発表し,2016年2月に実施した国民投票の結果を尊重するよう求めた。
 

(9)

 30日,チュキサカ,パンド県を除く7つの県の市民委員会(Comites Civicos)の代表は,2016年の国民投票の結果を尊重するよう求め,2月21日に道路封鎖及びストライキを実施予定であることを発表した。一方,MAS党派組織の代表は,同日に2019年の大統領選挙の候補者はモラレス大統領であることを支持するデモを実施予定であることを発表した。
 

(10)新刑法関連

ア  1日,コチャバンバで,政府と医師グループがストライキを中止するための予備協定に署名した。

イ  3日,ラパス市の医師グループはコチャバンバで署名された予備協定に反対の意を表明。

ウ  4日,モラレス大統領が,議会に対し刑法第205条及び第137条の廃止及び,第293条及び大294条の見直しを指示する意向を表明した。

エ  医師グループは,ストライキに参加した医師の減給や解雇を行わない旨の協定を政府と結ぶことを求め,ストライキを継続した。

オ  15日,モラレス大統領は,新刑法の規定について議論し,再検討する期間を1年間設けることを発表した。

カ  21日,モラレス大統領が新刑法の撤廃を表明した。

キ  24日,上院及び下院で新刑法を撤廃する法律が可決された。

ク  26日,モラレス大統領は新刑法を撤廃する法律を公布した。
 

(11)世論調査

 メルカードス・ムエストラ社が13日から17日に実施した調査によると,大統領等の無期限再選を認めた憲法裁判所判決について,77%が違法,16%が合法と回答,6%が不明もしくは無回答であった。また,2019年の大統領選挙でモラレス大統領が敗北した場合,66%がMAS党は結果を尊重しない,11%が尊重すると回答,11%が不明もしくは無回答であった。モラレス大統領を信頼するかという問いに対しては,29%が全く信頼しない,26%が余り信頼しない,16%がどちらでもない,21%が少し信頼する,7%が大いに信頼すると回答した。
 

3 外交

(1)多国間関係

 21日及び22日,ワナクニ外相はチリで開催された中国・CELAC閣僚会合に出席し,王毅外交部長と会談を行った。
 

 (2)二国間関係

ア 5日,ワナクニ外相は,ラミロ・タピア氏を駐スペイン大使,セバスティアン・ミチェル氏を駐ベネズエラ大使,及びカルロス・アパリシオ氏を駐イタリア大使に任命した。

イ 11日,キンタナ駐キューバ大使(元大統領府大臣)は,国営放送局のインタビューに対し,ボリビアとキューバは外交関係樹立35周年を迎え,両国は未来志向の新たな友好関係を構築していると述べた。

ウ 24日,アルセ法務大臣は,「海への出口問題」に係る国際司法裁判所(ICJ)裁判の日程に関し,3月19,20,26日にボリビア側,22,23,28日にチリ側が口頭弁論を実施予定と発表した。

エ 24日,モラレス大統領,ガルシア・リネラ副大統領,ワナクニ外相,ロメロ内相,アルセ法務大臣は,大統領府でチョケワンカ前外相,イトゥラルデ元外相,フェルナンデス元外相,サーベドラ元外相,ムリージョ元外相と会合し,「海への出口問題」の歴史的・法的論点について検討した。

オ 24日,外務省はリビアで発生したテロ行為を非難するプレスリリースを発表した。

カ 27日,外務省はエクアドル及びコロンビアで発生した警察官に対する襲撃事件を非難するプレスリリースを発表した。