ボリビア内政・外交(2017年12月)

平成30年1月5日

1 概況

(1)内政

ア 3日,司法官選挙を実施し,合計52名の司法官が選出された。投票全体の結果は,有効票33.70%,無効票52.07%,白票14.22%であった


イ 15日,ガルシア・リネラ副大統領が新刑法を公布した。これを受け,刑法205条に反対する医師等による抗議活動が活発化した。
 

(2)外政

ア  5日,モラレス大統領は伯を訪問し,テメル伯大統領と会談した。また,両国政府は南米大陸横断鉄道に関する覚書等に署名した。

イ  12~15日,モラレス大統領は,仏,オーストリア,スイス及びバチカン市国を訪問した。

 

2内政

(1)

 4日,ラパスとサンタクルスのジャーナリスト連合は,MAS党が提出した人の尊厳や信用を傷つけるような報道を行ったメディアに民事・行政責任を課す情報責任法案について,表現の自由に対する攻撃として「非常事態宣言」を発出。6日,MAS党は同法案の取り下げを決定。
 

(2)

 6日,ボリビア司教会議は,大統領ほかの無期限立候補を認めた憲法裁判所の判決について,民主主義の原則を破壊し,ボリビアの民主主義を後退させるものと批判した。
 

(3)

 15日,ガルシア・リネラ副大統領が新刑法を公布した。同205条では,過失により患者に傷害を与えた,又は死亡させた医師を処罰する旨規定していることから,同条項に反対する医師等による抗議活動が活発化
 

(4)

 16日,コチャバンバ市でMAS党が大規模な集会を開催。モラレス大統領は,2019年の大統領選に向けたキャンペーンの開始と,ボリビア社会開発計画2020-2025年の策定を宣言した。
 

(5)

 26日,エルアルト市でボリビア国営出版社が操業を開始した。同社は元USAIDの建物を利用し,約1100万ドルの投資が行われた。ダビア元通信大臣が社長に就任予定
 

(6)司法官選挙

ア  3日,司法官選挙を実施し,最高裁判所,憲法裁判所,環境裁判所及び司法審議会について計52名の司法官(うち半数は代替者)が選出された。

イ  投票全体の結果は,有効票33.70%,無効票52.07%,白票14.22%であった。ベニ,サンタクルス,ラパス,チュキサカ,タリハの5県では,無効票が半数を超えた。

ウ  20日,新司法官52名に対する信任状授与式が実施された。


 

3外交

(1)多国間関係

ア 6日,ラパスの伝統的な祭りであるアラシータがユネスコ無形文化遺産に登録された。

イ 21日,モラレス大統領は,ブラジリアで開催された南米南部共同市場(メルコスール)サミットに出席した。
 

(2)二国間関係

ア 5日,モラレス大統領が伯を訪問し,テメル伯大統領と会談した。両国政府は,警察協力及び組織犯罪対処に関する協定及び,南米大陸横断鉄道に関する覚書に署名し,また,貿易,エネルギー及び交通統合計画の推進並びに社会政策見直しのための四つの作業委員会を設置することで合意した。

イ 7日,外務省は,トランプ米大統領によるイスラエルの首都をエルサレムとする決定を批判するプレスリリースを発出。安保理非常任理事国として,ジョレンティ国連常駐代表を通じ,在イスラエル米国大使館をエルサレムに移転する決定について緊急会合を求める意向を示した。

ウ 12日,モラレス大統領が仏を訪問し,気候変動に関する「ワン・プラネット・サミット」に出席した。

エ 13日,モラレス大統領がオーストリアを訪問し,グラーツ大学と南米大陸横断鉄道に係る学術協力協定に署名した。

オ 14日,モラレス大統領がスイスを訪問し,政府当局及びスイスと独企業と南米大陸横断鉄道計画を前進させるための会合を行った。また,ボリビア及びスイス政府は,南米大陸横断鉄道計画のため,経験及び技術交流に関する覚書に署名した。

カ 15日,モラレス大統領がバチカン市国を訪問し,ローマ法王と会談を行った。