2018年3月 ボリビア経済情勢
平成30年4月5日
1 マクロ経済
(1)郵便局(国営企業)の閉鎖
1日,政府は最高政令第3495号により,数年にわたり財政難であった国営郵便局(ECOBOL)を閉鎖し,今後は「ボリビア郵便庁(Agencia Boliviana de Correos)」を立ち上げ,運営する予定である。本決定により,全国で同郵便局に勤務していた540人が失業した。(2)密輸
13日付報道は,ボリビア経団連(CEPB)が2015年のデータを基に概算した当国の密輸に関し,年間約16億8,000万米ドルから約22億1,300万米ドル(GNP比で約6.3~8.3%)が取引されており,また,正規輸入の約20~26%を占めていると報じた。(3)外貨準備高
23日付報道は,ボリビア中央銀行(BCB)によれば,2017年の外貨準備高が102億6,100万米ドルであったのに対し,本年3月16日時点で98億7,300万米ドルまで下がったと報じた。メンデス元BCB総裁は,本状況は貿易赤字から生じており,また,財政赤字も外国準備高を減少させていると述べた。(4)対外債務
25日付報道は,ボリビア中央銀行(BCB)の2017年度年間報告書に基づき,2017年の対外債務は94億2,800万米ドルに達し,2016年の72億6,770万米ドルに比べ29.7%増加したと報じた。(5)GDP成長を支える国内需要
28日付報道は,経済財政省の報告を基に,国内需要が2017年のボリビア経済の原動力であったと報じた。GDP成長率4.2%(政府の公式発表)を促進した分野は,主に農牧業(成長率7.8%),食料・飲料・たばこ(5.8%),建築(5.6%)であった。(6)年金
29日付報道は,政府が2008年から2017年までの間,60歳以上の年金受給者(合計130万人)に対し,総額約31億4,800万米ドルを支払ったと報じた。なお,(1)退職金を受け取っていない受給者への年金は,月に300ボリビアーノス(約43米ドル),年額3,900ボリビアーノス(約560米ドル,12月に2か月分を支給),(2)退職金を受け取った受給者への年金は,月に250ボリビアーノス(約35米ドル),年額3,250ボリビアーノス(約467米ドル)となっている。2 鉱物資源・天然ガス
(1)リチウム
6日,駐ボリビア英国大使館及びボリビアリチウム公社(YLB)の共催により「リチウム応用技術」に関する国際セミナーが開催された。英のファカーダ専門家は,ボリビアのリチウム産業化を進展させるためには,資金と技術を有する外国企業と提携すべきであり,また,将来的にリチウムの国際価格が下がる可能性があるため,産業化を迅速化するべきであると述べた。(2)天然ガス
ア 12日付報道は,タリハ県庁炭化水素事務局の報告書に基づき,同県内の二つの重要な天然ガス田(サン・アルベルト及びサバロ)におけるガス生産量が,2014年から2017年の間に48%減少したと報じた。同県の天然ガスによる収入は,2014年は39億8,100万ボリビアーノス(約5億7,198万米ドル)であったが,2017年は11億4,400万ボリビアーノス(約1億6,436万米ドル)に大幅に減少した。イ 20日付報道は,ボリビア石油公社(YPFB)によれば,天然ガスの国内需要及び伯・亜への輸出契約をカバーする上で,本年のガス生産量は1日当たり5,788万立方メートルを見込んでいると報じた(2017年の生産量は,1日当たり5,665万立方メートル)。
3 南米大陸横断鉄道プロジェクト
(1) 9日付報道は,同日,南米諸国連合(UNASUR)議会本部(コチャバンバ市)において,ソートン駐ボリビア英国大使とクラロス公共大臣が,南米大陸横断鉄道の計画,融資,建設,運営についての(調査に対する)技術協力の覚書に署名すると報道した。
(2) 21日,クラロス公共事業大臣は,西及び露が南米大陸鉄道プロジェクトへの融資に関心を示していると述べた。同大臣によれば,西は融資額や参加範囲について検討中であり,露については,本プロジェクトに関心を有する企業がある。
(2) 21日,クラロス公共事業大臣は,西及び露が南米大陸鉄道プロジェクトへの融資に関心を示していると述べた。同大臣によれば,西は融資額や参加範囲について検討中であり,露については,本プロジェクトに関心を有する企業がある。
(了)