2017年12月 ボリビア経済情勢

平成30年1月5日

1 マクロ経済

(1)対外債務

 18日,ボリビア中央銀行(BCB)は,2017年11月30日までの公的対外債務額(中長期)が91億800万米ドルに達し,GDPの24.8%を占めると発表した(注:2016年12月31日時点では,72億6,770万米ドル)。
 

(2)外国直接投資

  26日付報道は,ボリビア中央銀行(BCB)の報告書によれば,本年9月までの外国直接投資総額が約9億7,140万米ドル(純投資額(既存の外国投資の設備更新等に係る経費を除いた総額)は6億2,200万米ドル)に達したと報じた。同総額の内訳は,炭化水素部門が約3億2,500万米ドル(33%),製造部門が約2億200万米ドル,鉱業部門が1億8,100万米ドル,建築部門が7,000万米ドルとなっている。
 

(3)政府一般予算

 7日,2018年度政府一般予算案(約308億4,000万米ドル)が下院で承認された。炭化水素(天然ガス),電力,鉱業,道路インフラ等分野の公共投資に,総額約62億1,000万米ドルが割り当てられている。
 

(4)ソブリン債の発行

 26日,クシカンキ経済財政省・国庫公的融資担当次官は,2018年度政府一般予算における公共投資の資金調達のため,10億米ドルのソブリン債を発行する予定であると発表した(注:2012年,13年及び17年に合計20億米ドルのソブリン債を発行)。
 

(5)2017年徴税額

 28日付報道は,マリオ・カソン国税局長によれば,本年1月1日~12月21日の徴税額(関税除く)が約42億米ドルとなり,昨年の徴税額約39億米ドルに比べ7. 7%上昇したと報じた。
 

(6)直接炭化水素税

  21日付報道は,経済財政省によれば,直接炭化水素税の本年11月までの徴税額が約8億2,000万米ドルに達したが, 昨年の同徴税額約8億8,500万米ドルより低い水準であると報じた。

2 鉱物資源・天然ガス等

(1)製鉄

 21日,政府当局は,中国(EXIM BANK)がサンタクルス県におけるムトゥン製鉄工場建設に向け,約4億2,000万米ドルの融資に署名したと述べた。
 

(2)天然ガス収入額

 26日,サンチェス炭化水素大臣は,本年の天然ガス収入額を約20億米ドルとなる見込みであり,昨年の収入額17億5,500万米ドルから14%上昇したと発表した。

3 南米大陸横断鉄道プロジェクト

(1) 5日,ボリビアと伯の間で,南米大陸横断鉄道プロジェクトに関する覚書が,クラロス公共事業大臣及びキンテージャ伯運輸大臣との間で署名された(注:ボリビア,ペルー,パラグアイ,ウルグアイ及び伯の5か国が同覚書に署名)。

(2) 13日,モラレス大統領は,オーストリアのグラーツ大学との間で本鉄道プロジェクトの人材育成に係る協力協定に署名した。

(3) 14日,モラレス大統領はスイス・ベルン市で,政府当局及びスイスと独の企業と本鉄道計画を前進させるための会合を行い,同会合で2018年中の資金調達について確定し,2019年中に工事開始(スイスと独の企業連合が行う見込),2025年までに工事完了及び引渡しというスケジュールが提示された。
また,ボリビア及びスイス政府は,本鉄道プロジェクトに係る経験及び技術交流に関する覚書に署名した。

4 その他

(1)コーヒー品評会

 8日付報道は,第3回コーヒー品評会「プレジデンシャル・コーヒー2017」において,世界各地のコーヒー品質専門家の審査を通じて,生産者バレリアーノ・カジェハス氏が優勝し,1ポンド当たり53.2米ドルの売値がついたと報じた。同氏は,328ポンドを「Hierro Brothers Coffee Shop」社に販売した。

(2)輸出規制の解除

 19日,政府は砂糖,アルコール,その他サトウキビ加工品,大豆及びその二次製品,ソルガム,牛肉に関する輸出規制の解除を決定し,モラレス大統領は,民間企業との協定に署名した。同規制は,国内市場におけるこれら生産物の供給不足及び値上がりを回避するため,2008年2月の最高政令で導入された。
(了)