2019年2月 ボリビア経済情勢

1 マクロ経済

(1)2018年の対中貿易(1日付報道)

 国家統計局(INE)のデータによれば,中国からの輸入額について,2007年は3億1200万米ドルであったが,2018年は20億7100万米ドルとなり,約6倍に増加した。また,ボリビア貿易機関(IBCE)によれば,2017年の中国からの輸入品目は合計4,233品目であった。
 

(2)失業率(16日付報道)

 国家統計局(INE)のデータによれば,2018年のボリビアの失業率は4.27%で,南米で最も低かった。一方,国立社会経済調査庁(INASET)によれば,生産性の低い小売業やインフォーマルセクターへの就業率はここ数年増加しており,全労働者の60%を越えている。
 

(3)国民皆保険制度(SUS)実施法の公布(21日付報道)

 20日,モラレス大統領は,3月1日から国民皆保険制度(SUS)を実施するための法律第1152号を公布した。SUS実施のための初年度予算は2億米ドルを予定
 

(4)税務当局への滞納に対する金利及び罰金の引下げ措置に関する時限立法(21日付報道)

 20日,下院は,税務当局への滞納に対する金利及び罰金の引下げ措置に関する時限立法の期限を,4月30日まで延長する法案を可決した。同法の対象は,付加価値税,法人税等である。
 

(5)GDP成長率等(26日付報道)

 25日,アルセ経済財政大臣及びラモス・ボリビア中央銀行(BCB)総裁は,本年のGDP成長率が4.5%,インフレ率が4%,財政赤字が7.8%となると見通した。また,公共投資のため,外貨準備高が12億1,500万米ドル減少する見込みを発表した。
 

(6)外貨準備高(27日及び28日付報道)

 外貨準備高の減少に対する懸念表明
 ノスタス・ボリビア経団連(CEPB)会頭は,外貨準備高を用いて公共投資を行うことに対する懸念を表明し,また,外貨準備高の減少,国庫の赤字,中小・零細企業の倒産,対外債務の増加等は,国内経済の減速を意味すると述べた。

 アルセ経済財政大臣の反論
 アルセ経済財政大臣は,プレスリリースにおいて,CEPBの声明には専門的知識に基づく根拠がなく,外貨準備高は経済政策の道具ではなく資金フローの結果であり,貿易収支の赤字により減少したと述べた。
 

(7)対外債務(28日付報道)

 ボリビア中央銀行(BCB)の報告によれば,2018年11月30日時点の対外債務は99億4,490万ドルであり,主な債務額は,対IDBが28億3,000万米ドル(28%),対CAFが24億1,900万米ドル(24%),対中国が7億9,100万ドル(8%)となっている。
 

2 リチウム,鉱業,エネルギー関連

(1)リチウム

 中国企業のリチウム開発(7日付報道)
 6日,オルロ市において,モラレス大統領出席の下,ボリビア・リチウム公社(YLB)は,中国企業TBEA特変電工社グループとの間で,コイパサ塩湖(オルロ県)及びパストス・グランデス塩湖(ポトシ県)のリチウム産業化に向けたプラント建設契約に署名した。同投資額は合計23億9,000万米ドルを予定し,五つのプラント建設が含まれている。

 ウユニ塩湖のリチウム埋蔵量調査(22日付報道)
 21日,エチャス・エネルギー省ハイテク・エネルギー担当次官は,米企業のSRK社の調査によると,ウユニ塩湖のリチウム埋蔵量は2,100万トンであると発表した。エチャス次官は,コイパサ塩湖及びパストス・グランデス塩湖でも同社による同様の調査を実施する予定であると述べた。
 

(2)ムトゥン製鉄工場の建設開始(3日付報道)

 鉱業冶金省によれば,先月末に建設が開始されたムトゥン製鉄工場に関し,5億4,600万米ドルの投資額には,少なくとも七つの工場の建設と技術移転が含まれている。建設等を請け負う中国企業シノスティール社の工期は42か月であり,工場始動の際には1,500人の直接雇用が見込まれる。
 

(3)電力輸出(16日付報道)

 ボリビア電力公社(ENDE)は,電力輸出に向けて,ボリビアとペルー,アルゼンチン,ブラジル,パラグアイ間の相互連結,ボリビアとブラジルの水力発電量等の調査を実施する予定である。現時点では,対アルゼンチンの電力輸出が最も進んでおり,2020年は80~120メガワットの輸出,4年以内に1,000メガワットに拡大する考えである。
 

3 その他

(1)キヌア産業化プラント(8日付報道)

 7日,オルロ県ソラカチ市(オルロ市から北部へ約28km)において,2年以内にキヌア産業化プラントを建設するための契約が,ボリビア食料デリバティブ公社(EBA)とボリビアーナ・トゥコンズ社との間で署名された。政府の投資予定額は8,830万ボリビアーノス(約1,268万米ドル)であり,同プラントで年間6,477トンのキヌアが生産される見通しである。モラレス大統領は契約署名式において,2018年のキヌア生産量が7万トン(オルロ県:32,000トン,ポトシ県:28,000トン,ラパス県:9,000トン,その他1,000トン)であり,中国に対する輸出は約200トンであったが,本年は約2,000~3,000トン輸出できるだろうと述べた。
 

(2)中国の対ボリビア融資・借款契約(10日付報道)

 ヒメナ・コスタ下院議員(野党)は,国会で承認された中国の対ボリビア融資・借款契約に関する法律に基づく調査を行い,2006~19年1月までの期間に,政府が中国輸出入銀行(Eximbank)との間で九つの融資契約(17億8,930万米ドル)を締結し,184の借款契約(133億2,450万米ドル)に署名したと報告した。
 

(3)ロシア衛生当局の視察(19日付報道)

 17~26日,ロシアのアニミソフ衛生当局局長を団長とする視察団がサンタクルス県を訪問し,ボリビア産牛肉の輸入に向け,牛肉の質等を検査する予定である。同視察後,30日以内に報告書が作成され,60日以内にボリビア産牛肉輸入の可否が決定される見込みである。
(了)