海外安全対策情報(2017年1月~3月)

1 社会・治安情勢

 政治的には安定しているが,ボリビア国内各地で政治的要求に基づくデモ,道路封鎖,ストライキ等の抗議行動が頻繁に行われている。2016年8月には,鉱山協同組合がラパス県とコチャバンバ県を結ぶ県道の封鎖を行い,同組合員との対話に向かった当時の内務次官が,途中で同組合員に拉致,殺害されたほか,2017年2月には,ラパス県コカ生産組合員が反政府デモを実施し,ラパス市内の警察派出所を襲撃し,車輌を破壊する等した。
  

2 一般犯罪・凶悪犯罪の傾向

(1)犯罪の傾向

 ボリビアにおける一般犯罪件数は2015年に約4万6千件となっており,その後はほぼ横ばいで推移している。首都ラパス市及び隣接するエルアルト市においては,首締め強盗,置き引き,スリ及び偽警官による盗難被害が邦人旅行者を含め頻発しており,警戒が必要。エルアルト市では殺人事件等の凶悪犯罪も頻発している。

 サンタクルス市の治安は,地方からの人口流入,麻薬密輸関係者の増加等により悪化していたものの,警察の犯罪防止対策が功を奏し,近年は犯罪件数が減少している。発生する犯罪の多くは,薬物購入資金を目的とするものであり,麻薬密売組織間の抗争に一般市民が巻き込まれることもあるので,十分注意する必要がある。


(2)邦人被害事案

  1月15日,邦人女性旅行者がラパス市内の通称「魔女通り(Calle Linares)」を歩いていたところ,30代位のスペイン語を話す女性から道を聞かれた。その女性と話していたところ,50代位の黒いスーツを着てサングラスをかけた警官と名乗る男から旅券の提示を求められた。その後,荷物検査をするからタクシーに乗るように言われ,30代の女性と共にタクシーに乗車させられた。車内で女性が先に所持品検査をされ,邦人旅行者もそれに従ったが,その際クレジットカードの暗証番号を聞かれ答えた。その後邦人旅行者のみ降車させられ,手荷物を確認すると,現金,クレジットカード及び携帯電話等の貴重品が盗まれていた。

 2月1日,邦人旅行者がコパカバーナ市のバスターミナルでフィリピン人と名乗る30代位の女性から,ラパス市に良いホステルがあるから一緒に行こうと話しかけられ,ラパス市まで同じバスで到着した。その後,女性が路上のタクシーを止め一緒に乗車したところ,途中で警官を名乗る50代位の男性が乗り込み,麻薬所持に関する検査をすると告げた。自称フィリピン人が先に所持品検査をされた後,邦人旅行者も所持品検査をされた。その後,邦人旅行者のみ降車させられ,手荷物を確認すると,現金,クレジットカード等の貴重品が盗まれていた。

 2月4日,ペルーから陸路バイクでコパカバーナ市に到着した邦人男性旅行者が,宿泊先ホテル前でバイク荷台の荷造りをしていたところ,複数の人に話しかけられ,荷物を触られる等した。その後,気づいたらバイク座席の上に置いていた旅券等の貴重品が入ったウエストポーチが無くなっていた。

 2月8日,友人と計5人でラパス市バスターミナルに到着した邦人男性旅行者がベンチに荷物を置いた。その内の3人が買い物をするためにベンチを離れ,残り2人で5人分の荷物を見ていたところ,30代後半のスペイン語を話す男性から話しかけられ,充電器の使い方について聞かれた。その後,気づいたらベンチに置いていた旅券等の貴重品が入ったショルダーバッグが無くなっていた。

 2月16日,ウユニ市内のホテルに宿泊した邦人男性旅行者が,宿泊先ホテル玄関前に旅券等の貴重品が入った荷物を置き忘れたまま買い物に出かけた。すぐにホテルに戻ったが,戻ったときには荷物は無くなっていた。

 2月20日,邦人男性旅行者がウユニからラパスまで移動した飛行機内で,旅券等の貴重品が入ったパスポート・ケースを紛失した。

 2月24日,邦人男性旅行者が赤色ロープウェイのエルアルト駅付近で首締め強盗被害に遭った。

 2月25日,邦人男性旅行者がラパス市内のサンフランシスコ教会内を観光していたところ,30-40代位のスペイン語及び英語を話す女性から写真を撮ってくれと話しかけられた。その女性と話していたところ,30-40代位の警官と名乗る男性に「偽札及び麻薬所持に関する検査をする」と告げられ,男性が無線のようなもので車輌を呼ぶ仕草をし,その後教会前の大通りに到着した車輌に女性と共に乗車させられた。車内で旅券の提示を求められ,女性が素直に従ったため邦人旅行者もそれに従った。その後,偽札及びキャッシュカードの偽物のようなものを見せられ,所持していた現金,キャッシュカード,携帯電話を検査の名目で取り上げられた。確認後,邦人旅行者がそれらを返すように伝えたところ,旅券のみを返却し,邦人旅行者が所持していたバックパック,肩掛バッグを車外に放り出し,一人だけ降車させられ,現金,クレジットカード等の貴重品を盗まれた(3月12日にも同様の被害が発生)。

 3月10日,邦人男性旅行者がラパス市からオルロ市まで長距離バスで移動し,下車した際,車内座席頭上の網棚に旅券等の貴重品が入ったバッグを置き忘れた。その後,バスに戻り網棚を確認したが,バッグは無くなっていた。

 3月14日,邦人男性旅行者がラパス市北部のコロイコ市周辺の自転車ツアーに参加し,自転車でデスロードを走行中,後方を走っていたツアーバスが崖から転落し,運転手が死亡した。邦人旅行者の荷物もバスと共に崖から落ち,旅券,携帯電話,クレジットカード,カメラを紛失したが,その後,ツアー会社が荷物を引き上げ,旅券は手元に戻った。
 

(3)邦人以外の被害事案

 1月1日朝5時頃,ラパス県ラパス市のカマチョ通りを歩いていた若い男女が強盗被害に遭った。19歳の男性は,携帯電話を奪われそうになったことから抵抗したところ,顔面を銃で撃たれ死亡した。

 1月8日,ラパス県エルアルト市で,ビールの販売をしていた女性の家に強盗団が押し入り,現金約3万ドルを盗んだ上,抵抗した50歳の女性の腹部を銃で撃ち負傷させた。

 1月14日午後9時頃,ラパス県ラパス市のカマチョ通りで両替商が強盗被害に遭った。警察官が犯人を追いかけたところ,強盗犯が発砲し,警察官は負傷。その後,病院に運ばれたが,2月に死亡した。

 1月17日,ラパス県アチカ・アリバ村で,トラックに隠匿されていたコカイン・ぺースト101キロ(市場価格約50万ドル)が押収された。同ペーストはペルーからボリビアに入り,サンタクルスにおいて精製された後,ブラジルまで密輸される予定であった。

 1月17日,タリハ県からコチャバンバ県に続く幹線道路で,長距離バスがカーブを曲がり切れず横転し,男性7名及び女性7名が死亡した。スピード超過が原因とみられている。

 1月26日,コチャバンバ県コチャバンバ市の教会関係施設で,教会ボランティアのポーランド人女性(24歳)がナイフで複数箇所刺され死亡しているのが発見された。

 1月31日午後11時頃,コチャバンバ県からサンタクルス県に続く幹線道路で,バスが崖から25メートル転落し,2名が死亡,27名が負傷した。スピード超過が原因とみられている。

 2月5日午後10時頃,ラパス県ラパス市ソポカチ地区のスーパーKETALにナイフを持った男1人が押し入り,20万ボリビアーノスを盗んだ。

 2月14日,ラパス県アチャカチ市で,アチャカチ市長に対する抗議デモが過激化し,市長の家及び車が市民によって燃やされた。

 2月15日,ラパス県ラパス市アウキサマニャ地区で,土砂崩れが発生し,家屋5棟が倒壊,1名が負傷した。

 2月17日,サンタクルス県税関は,米国からサンタクルス県まで密輸された銃器75丁を押収した。これらの銃器は,米国,ドミニカ共和国,ペルー,チリ,ボリビアを通過後,ブラジルまで運ばれる予定であった。

 2月25日,ポトシ県トロトロ市で,7歳女児が強姦,殺害された。地元住民は,逮捕,拘留されていた16歳の犯人を警察署から引きずり出し,火をつけ殺害した。

 2月25日から2月28日までのカーニバル期間中,ラパス県内で複数の交通事故により計51名が死亡した。

 3月7日,ラパス県ラパス市で,4人組の男が13歳の女性をタクシーで誘拐し,強姦したとして逮捕された。4人中3人は,他の犯罪歴があった。

 3月8日,ポトシ県のツピサ市からビリャソン市に続く幹線道路でバスが横転し,3名死亡,約20名が負傷した。

 3月14日,サンタクルス県サンタクルス市で,18歳の男性がナイフで刺され殺害された。犯人は被害者の恋人の14歳女性であり,他に18歳及び20歳の男性も共犯者として逮捕された。

 3月24日,ラパス県ラパス市で,警官を装ってアルゼンチン人から金品を盗もうとした男2人が逮捕された。同人らは,外国人観光客をターゲットにバスターミナル等で活動しており,偽の身分証明書を所持し警官を装った上で,偽札又は麻薬所持に関する検査を行うとの名目で,旅行者をタクシー等の車輌に乗せ,車内で荷物検査を行う素振りをしつつ金品を盗んでいた。

 3月28日,コチャバンバ県コチャバンバ国際空港で,麻薬取締局職員がアルゼンチン人観光客の荷物検査を行った際,荷物から640ドルを盗み,逮捕された。
テ 3月31日,サンタクルス県ロボレ市で,現金計130万ドルを運搬していた現金輸送会社の防弾車が強盗被害に遭った。12人の犯罪者が4台の車で追撃し防弾車を襲った。犯人は捕まっていないが,警察はブラジル人による犯罪とみている。

3 テロ・爆弾事件発生状況

なし。

4 誘拐・脅迫事件発生状況

なし。

5 日本企業の安全に係わる諸問題

なし。