ボリビア内政・外交(2018年4月)

1 概況

(1)内政

ア  3日,伯オデブレヒト社による「ラバ・ジャド」汚職事件の対象国がボリビアまで拡大し,ボリビア国会に調査委員会が設置された。同委員会は6か月間の調査を行い,報告書を提出する予定

イ  3日,米国フロリダ州民事裁判所は,2003年に発生した「ガス戦争」事件の責任について,ゴンサロ・サンチェス・デ・ロサダ元大統領及びカルロス・サンチェス・ベルサイン元防衛相に対し有罪判決を下した。

ウ  25日,モラレス大統領は,密輸取締時に軍隊及び警察が武器を使用できる法律を公布し,また,国防省内に密輸対策担当次官を設置した。
 

(2)外交

ア 13~14日,モラレス大統領はペルーで開催された第8回米州首脳会合に出席した。

イ 17日,ボリビアは2019年4月まで南米諸国連合(UNASUR)の議長国に就任した。

ウ 13日及び28日,モラレス大統領はビスカラ・ペルー大統領と首脳会合を行った。

エ 15日,モラレス大統領はベネズエラを訪問し,マドゥーロ大統領と協議を行った。

オ 22日,モラレス大統領はキューバを訪問し,ディアスカネル氏のキューバ国家評議会第一副議長への就任を祝福し,同議長は25~28日ボリビアを訪問した。

カ 30日,ボリビア外務省は,北朝鮮と韓国による南北首脳会議に対して祝意を表するプレスリリースを発出した。

 

2 内政

(1)

 3日,伯オデブレヒト社による「ラバ・ジャド」汚職事件の対象国がボリビアまで拡大し,ボリビア国会に調査委員会が設置された。同委員会は6か月間の調査を行い,報告書を提出する予定
 

(2)

 3日,米国フロリダ州民事裁判所は,2003年に発生した「ガス戦争」事件の責任について,ゴンサロ・サンチェス・デ・ロサダ元大統領及びカルロス・サンチェス・ベルサイン元防衛相に対し有罪判決を下し,被害者家族に対し1,000万ドルの賠償を命じた。
 

(3)

 3日,モラレス大統領は,2,735名の予防拘禁者又は確定判決を受けた者に対し全面的又は部分的な恩赦を与える大統領令を議会に送付した。
 

(4)

 18日付報道は,レベッカ・デルガード元下院議長(2012~13年,2008~09年大統領府次官)及びエドゥアルド・マルドナード元上院議員が訴えていた政治的権利の侵害について,国連人権委員会がその訴えを認め,ボリビア政府に賠償を求めた。両元議員は,2014年にMAS党を離党した後,2015年の地方選挙で,デルカード氏はコチャバンバ市長選,マルドナード氏はポトシ市長選に立候補しようとした際,2014年に最高選挙裁判所により,2010~15年の間に国会議員の職務に就いていたことを理由として,同立候補を禁じる判決を出したが,国連人権委員会は,同判決を市民及び政治的権利の侵害と認めた。
 

(5)

 21日,コチャバンバ市内の小学生に配付する予定であった中国製リュックの落札価格に係る不正問題の責任により,コチャバンバ市長(社会民主主義運動党)に対し,自宅拘禁が命じられた。
 

(6)

 25日,モラレス大統領は,密輸取締時に軍隊及び警察が武器を使用できる法律を公布し,また,国防省内に密輸対策担当次官を設置した。
 

(7)世論調査

ア メルカードス・ムエストラ社が9県庁所在地及びエルアルト市において,3月30日から4月6日に実施した世論調査の結果は以下のとおり。

 (ア) 次期総選挙において,56%が過去の政府とは関係のない反政府系候補者に投票すると回答,17%がMAS党に投票,12%が過去の政府と関係のある反政府系候補者(コスタス・サンタクルス県知事,レビージャ・ラパス市長,ドリア・メディーナUN党首,キロガ元大統領等)に投票,15%が不明・無回答であった。

 (イ) 同社が示した大統領候補者リストを基に投票したいと思う人物について,27%が誰にも投票しないと回答,24%がモラレス大統領,14%がコスタス・サンタクルス県知事,10%がアルバラシン国立サンアンドレス大学(UMSA)学長,8%がドリア・メディーナUN党首,5%がレビージャ・ラパス市長,3%がパッツィ・ラパス県知事,2%がキロガ元大統領,9%が不明・無回答であった。

 (ウ) モラレス大統領政権の評価については,4%が非常に良い,30%が良い,43%が普通,17%が悪い,7%が非常に悪いと回答した。

 (エ) 「海への出口問題」で,国際司法裁判所(ICJ)裁判でボリビアに有利な判決が出た場合の功労者は,67%がボリビア側代表団,12%がモラレス大統領,10%がメサ元大統領,8%が不明・無回答,3%がロドリゲス元大統領(在蘭ボリビア大使)と回答した。また,モラレス大統領が人気回復のために「海への出口問題」を利用していると回答したのが71%,23%が違う,6%が不明・無回答であった。

イ  メルカードス・ムエストラ社が9県庁所在地及びエルアルト市において,4月の第1週目に実施した世論調査によれば,各市長の取組の10段階評価は,フェルナンデス・サンタクルス市長が6.8,レビージャ・ラパス市長が6,レジェス・コチャバンバ市長が4.8,ペレイラ・タリハ市長が4.7であり,それ以外の6市長についてはより低い評価であった。

ウ  イプソス社が4月2~13日に9県庁所在地及びエルアルト市で実施した世論調査によれば,モラレス大統領の取組について48%が評価する,47%が評価しない,5%が不明・無回答であった。政府の取組について44%が評価する,46%が評価しない,10%が不明・無回答であった。ガルシア・リネラ副大統領の取組については40%が評価する,55%が評価しない,5%が不明・無回答であった。
 

3 外交

(1)多国間関係

ア  13~14日,モラレス大統領はペルーで開催された第8回米州首脳会合に出席した。

イ  16日,モラレス大統領は国連本部で開催された第17回「先住民問題常設フォーラム」に参加した。

ウ  17日,ボリビアは2019年4月まで南米諸国連合(UNASUR)の議長国に就任した。議長国としての課題は以下のとおり。
 
 (ア) 軍縮,紛争の平和的解決及び世界の平和文化の促進
 (イ) 「世界市民権」に向けた「南米市民権」の確立
 (ウ) 南米大陸横断鉄道の推進
 (エ) 南米先住民農民連合の設置
 (オ) 麻薬撲滅対策での協力
 (カ) 南米・アフリカ首脳会合の実施

エ  19日,亜,伯,チリ,コロンビア,ペルー及びパラグアイは,在エクアドル・ボリビア大使館に対して連名の書簡を発出して,UNASURの現状に対する強い不満を表明し,UNASUR事務局長問題が解決するまで,UNASURの各種会合への参加を停止する旨伝達した。

オ  25日,コチャバンバ県サンベニート市にあるUNASUR議会において,列国議会同盟(IPU)主催の第7回女性議長サミットが行われ,23か国から女性議員代表団が参加した。ボリビアが同開催国に選ばれたのは,世界でルワンダに次ぎ女性議員数が多いためであった。
 

(2)二国間関係

ア ペルー大統領との会合

 (ア) 13日,モラレス大統領は,ビスカラ・ペルー大統領と会談を行い,下記四点の両国間の戦略的課題について協議した。(1)本年9月3日に,第4回ニ国間閣議を実施する,(2)南米大陸横断鉄道建設を促進する,(3)二国間国境サービス・センターに関するプロジェクトを開始する,(4)エネルギー資源の交換を進める(当館注:ボリビアの天然ガスとペルーのガソリンの交換)。
 
 (イ) 28日,ペルーとの国境地域にあるデスアグアデロ市(ボリビア側ラパス県インガビ郡及びペルー側プーノ県チュキト郡)において,モラレス大統領とビスカラ大統領は,ニ国間国境サービス・センター(CEBAF)の落成式に出席した。同センターは,人,車,物の移動の管理を強化する目的で,両国の投資により約44万米ドルかけて建設された。

イ ベネズエラ訪問
 15日,米州首脳会合後,モラレス大統領はマドゥーロ・ベネズエラ大統領を擁護するためにベネズエラを訪問し,両大統領は,二国間の戦略的アジェンダに関し協議した。

ウ ディアスカネル・キューバ国家評議会第一副議長との会合
 
 (ア) 22日,モラレス大統領はキューバを訪問し,ディアスカネル氏のキューバ国家評議会第一副議長への就任を祝福した。
 
 (イ) 25~28日,同第一副議長はボリビアを公式訪問し,モラレス大統領との会談等を行った。同第一副議長は,ボリビアの民主主義と文化革命への支持を表明したほか,協力関係を拡大し,経済関係を深めることを模索することを提案した。また,中南米で進歩主義的な政府に対する右派勢力からの増大する攻撃に対し,両国の政治関係及び社会経済分野における協力関係を強化することを確認した。

エ モラレス大統領は,6月14日にプーチン露大統領,19日に習近平中国国家主席と会合する予定

オ 30日,ボリビア外務省は,北朝鮮と韓国による南北首脳会議に対して祝意を表するプレスリリースを発出した。
 

4 その他

 22日付報道は,フランスのNGO「国境なき記者団」が発表した報道の自由ランキングで,ボリビアは180か国中第110位であったと報じた。